「メキシコを代表する料理のタコスには、アメリカやフランスなど世界中にその派生系があります。しかし、日本オリジナルのタコスにはありません。これからグローバル化が進んでいき、海外の人たちと触れ合う機会がますます増えてくると思われます。もし、僕が大好きなタコスで日本人としてのアイデンティティを表現できたら、お互いの交流がさらに深まるのではないかと思い、日本独自のタコスをつくろうと思いつきました。たとえば、生地の原料に米粉を使い、しぐれ煮やポテトサラダを具にしたタコスです」
そう話すのは、高1の山手陽南太さん(高1)です。山手さんは、この春に新設された『グローバルコース』の1期生。同コースの目的は、世界基準で物事を捉え、世界平和実現のために貢献できる真のグローバルリーダーになることです。進学先としては、海外大学や早慶上理などのSGU(Super Global University)をめざします。
同コースのカリキュラムの3本柱の一つが『アントレプレナーシップ(起業家精神)の基礎を学ぶこと』。2週間に1度、教育事業を手掛ける企業の講師による指導のもと、ビジネススキルを使って社会問題を解決できるプロジェクトをグループごとに考えます。前述の山手さんが語った日本独自のタコスづくりは、こうしたグループワークで生み出されたアイデアなのです。
「この取り組みで身につけたリーダーシップや経営手法を活かして、将来は人と人を結びつけるような仕事に就けたらと考えています」と山手さん。山手さんとともに同プロジェクトに取り組んでいる2名のクラスメートにも話を聞きました。1名は中高一貫部から『グローバルコース』に進学した上田慶さんです。
「中学のときにLGBTQについて知り、欧米と違って日本にはまだまだ多様性を認める考え方が浸透していないと感じました。そこで、海外の文化や価値観について学びたいと思い、このコースに入学しました。
山手くんが熱心にタコスについて語るのを聞くうちに、日本のタコスを通じて多様性を認めることの大切さを広められるのではないかと確信し、今は真剣に取り組んでいます。将来はこのコースで学んだことを、海外の大学でさらに追究していきたいと考えています」
もう1名は日髙翔和さん。難民問題の解決に貢献できる仕事に就くため、海外の大学をめざそうと考えて同コースに入学しました。
「ともに食事を囲むことで人と人の絆は強まります。どこでも気軽に食べられるタコスを通じて、違った国籍や人種の人たちと理解を深め、友情を築けるのではないかと期待しています」
左から、日髙翔和さん、上田慶さん、山手陽南太さん。全員『グローバルコース』の1年生です。
