【栄養】妊娠中や授乳期の女性のための献立として、八宝菜や卵とトマトのスープ、キウイの入った和風白玉を作っています。
【美術】凹版画に使用する空想画の題材として、占いで使われるタロットカードから連想した自分の世界を描いています。
【ビジネスマナー&話し方・伝え方講座】秘書検定3級の問題集を解く生徒たち。
【Super Math&Science Seminar】これまでに取り組んできた調査や実験、校外学習などで学んだことについてポスターセッションをする生徒たち。
【英語でプログラミング講座】ネイティブ教員が英語で教えるため、英語力も養われます。
【看護医療福祉&保育幼児教育講座】保育の現場で活用されるペープサート(紙製の人形劇)を練習する生徒たち。
【看護医療福祉&保育幼児教育講座】応急処置の実習です。
【世界遺産と伝統文化】深川不動堂での写経体験。
【調理】ティーインストラクターによる「中国茶」のいれ方・茶芸体験。
下北沢成徳高等学校では、生徒一人ひとりが興味・関心のある講座を自由に選んで受講できる『プラス・ワン・プロジェクト』を用意。体験型・探究型の学習を通して、問題発見能力や問題解決力、表現力を養いながら、将来の夢をかなえることが目的です。週に2回、2時間続きの講座があり、その中から2種類の講座を選択できます。つまり、授業や部活動に“プラス”した学びやアクティビティができるのです。対象は、『ブロードエデュケーションコース』の2年生。なお、同コースは大学入試の一般選抜、学校推薦型、総合型選抜まで幅広い入試に対応しています。
平野昌子校長
開講している講座は『世界遺産と伝統文化』『調理』『栄養』『Super Math&Science Seminar(理数講座)』『美術』『英語でプログラミング』『看護医療福祉&保育幼児教育講座』『ビジネスマナー&話し方・伝え方講座』の7種類です。この特別講座『プラス・ワン・プロジェクト』について、校長の平野昌子先生にお話を聞きました。
「本校に入学する生徒のなかには、入学時すでに進路を決めている生徒もいますが、多くの生徒は高校生活のなかで、卒業後に何を学び、どのような職業に就きたいのかを探そうとしています。
そこで、さまざまな体験を重ねながら、将来について考える機会を生徒に与えたいという願いから、『プラス・ワン・プロジェクト』が生まれました。学習指導要領を越えた学びを目指し、スタートした講座ですが、この取り組みは今まさに求められている探究活動であると同時にキャリア教育の役割も担います。体験することで失敗もあれば、自分の新たな可能性に出会うこともあります。新しい自分を発見できます。このプロジェクトが教科の授業と違うのは、本校専任の教員だけでなく様々な分野で活躍する社会人や専門家の方にも講師をお願いしているということです。
たとえば、生徒に人気のある『ビジネスマナー&話し方・伝え方講座』では、大学でキャリア教育を担当されている先生が講師を務めてくださっています。前半では秘書検定3級の取得をめざします。本校生徒の合格率は全国の高校レベルを超えるほどです。さらに後半は、秘書検定準1級レベルの実技試験をもとに、立ち居振る舞いや言葉遣いを審査するコンテストも年に2回実施しています。自分を客観的に見つめ、自分の思いや考え方を相手にうまく伝えられるように話し方・伝え方を実践的に学び、表現力を磨きます。そのため、この講座は学校推薦型選抜や総合型選抜の面接で大いに役立ったと、卒業生の声が届いています。
『調理』は本校の家庭科教諭とティーインストラクターの講師とで担当しています。そして、1年間の集大成としてチームを組んで、スープからメインディッシュ、デザートまでフレンチのコース料理に挑戦し、保護者の方をお招きして食べていただく機会を設けています。
『栄養』では、ライフステージに合った栄養の特徴をふまえ、献立を考え、その調理を行います。たとえば、女子高校生が健康に過ごすために必要とする食事はどういうものか学んだり、アレルギーをもつ小さなお子さんが安全に食べられる素材を考えてケーキを作ったりします。管理栄養士など、人の健康と食に関わる仕事や学問に関心のある生徒におすすめの講座です」
プラス・ワン・プロジェクトでは、下北沢という地の利を生かし校外学習も多く取り入れています。
世界遺産検定の取得にも挑戦する『世界遺産と伝統文化』では、代々木上原にあるモスク(イスラム教の礼拝堂)を見学したり、伝統芸能の鑑賞に出かけたり、また、日本の文化を学ぶために写経や居合の体験にも出かけたりします。『美術』では創作活動だけではなく、美術館へ鑑賞に行きます。生徒たちは自分で希望し選択した講座ですから、前向きに目標をもって真剣に取り組んでいます。
加藤博喜先生(理科)
取材当日は『栄養』『美術』『ビジネスマナー&話し方・伝え方講座』『Super Math&Science Seminar』などを見学させてもらいました。なお、『Super Math&Science Seminar』は、数学や理科が苦手だと感じている生徒でも楽しく学べる講座。環境問題をテーマにデータを測定し、その解析などを行います。この日の昼休みには、学んだ成果をまとめ、生徒や先生方の前で発表するポスターセッションが行われていました。この講座を担当する加藤博喜先生(理科)は次のように話します。
「探究心とともに表現力を鍛えることを目標とした講座です。今日のポスターセッションでは神田川や北沢川の水質調査、この講座で行ってきた実験やレポートの発表、井の頭公園水生物園やJAXA調布航空宇宙センターの見学で学んだことなどをプレゼンテーションしました。
今後コロナが収束すれば、外部コンテストへの参加やフィールドワークの機会を増やしていきたいですね。文系志望の生徒は、数学や理科を深く学ばずに高校生活を送ってしまうことが多々あります。そこで、この講座で実験したり、データを解析したりすることの楽しさに気付いてほしいと思います。また、こうした活動を熱心に続けたこと、その成果を人前で堂々と発表できたことを、大きな自信につなげてほしいと願っています」
受講している生徒たちは、この講座の感想を次のように話します。
「水質調査をはじめさまざまな実験をしたり、いろいろな場所を訪れたりできるので、知識が増えて視野が広がりました。私は改めてこの講座を選んでよかったと思いました」
「理数科目への苦手意識を克服できました。私は文系志望ですが、この講座を選んだことで選択肢の幅も広がりました」
「理数科目は得意ではありませんでしたが、校外学習を通して理科や数学を新しい方向から見ることができ、興味がもてるようになりました。理系志望の人がこの講座を選択したら、理数科目がますます好きになると思います」
この学びを通して生徒たちは将来の夢を具体化し、夢の実現への第一歩を踏み出しています。
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