関東国際高等学校の最大の特色は、外国語を深く専門的に学びながら、実際にその言語が話されている国を訪れ、異文化に触れられる環境が整備されている点です。同校が取り組む国際理解教育について世界教室担当の北山夏季先生に伺うとともに、留学を終えて帰国した「イタリア語コース」と「英語コース」に在籍する高3生の留学体験をご紹介します。
関東国際高等学校の最大の特色は、外国語を深く専門的に学びながら、実際にその言語が話されている国を訪れ、異文化に触れられる環境が整備されている点です。同校が取り組む国際理解教育について世界教室担当の北山夏季先生に伺うとともに、留学を終えて帰国した「イタリア語コース」と「英語コース」に在籍する高3生の留学体験をご紹介します。
世界教室担当/北山夏季先生
関東国際高等学校では“世界につながる教育”を目標に、多言語・多文化に触れる多彩なプログラムを展開しています。
「普通科」(文理コース/日本文化コース)に加え「外国語科」では英語・中国語・韓国語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語・ロシア語・イタリア語・スペイン語・フランス語の10言語が学べる環境を整備。1997年より世界22の国と地域の加盟校とともに「世界教室」の取り組みを続けています。
「ネットワークを活かした海外大学への進学指導のほか、年に1度開催される世界各国から加盟校が集う『国際フォーラム』に本校は2年に1度、主催校としてその舞台を担っています。また、本校ではタイ、ベトナム、イタリア、スペイン、アメリカ、カナダへの留学も用意しています。アメリカ、イタリアの提携校とは交換留学を実施しています。例えば本校の生徒がイタリアでホームステイしたホストシスターが、今度は本校の生徒宅に滞在するというような双方向の交流も行われています。
長期留学は基本『10カ月』間ですが、『7~8カ月』あるいは『数カ月』のケースもあります。希望者には保護者向け説明会を行い、高1時点の成績や生活態度、体力などを踏まえ、1コースにつき1~2名が選抜されます。帰国後は在籍していたクラスに戻ることができ、クラスメートから『現地ではどうだった?』と聞かれる場面があります。言語力が磨かれたことで発表の場でも成長を実感できますし、アウトプットすることで、留学経験をほかの生徒に還元することもできます。
高校時代に長期留学をした経験は、大学進学後も大きな武器になります。海外大学への進学率は全体の約10%ですが、留学経験を活かして『総合型選抜』や『公募推薦型選抜』で国内大学に進学する生徒も少なくありません。
本校には、さまざまな言語と文化を学ぶ生徒が在籍しています。そうした多様な背景をもつ生徒と学べる環境に憧れて本校を選ぶ受験生も多いのです。少しでも海外に興味がある人にはぜひ、本校で一歩を踏み出してほしいですね」(世界教室担当/北山夏季先生)
荒木鞠花さん(高3)・イタリア語コース
幼い頃から音楽が身近にある環境で育ち、特に母が好きだったイタリア・フィレンツェ発祥のオペラに興味をもつようになりました。また、母が関東国際高校の『イタリア語コース』の存在を教えてくれたことで、イタリア語を深く学びたいという思いが高まっていきました。
入学後は、年間で1名だけ選ばれる長期留学のチャンスをずっと目標にしてきました。2週間の海外研修プログラムもありますが、やはり短期では得られない経験ができると考えて長期を希望していました。高2の初めに面接などの審査があり、自分が選ばれたと知った時は本当にうれしかったです。
ホストファミリーは、両親と姉妹2人の4人家族。近くには親戚も多く住んでいて、よく大人数で食卓を囲みました。ある時私はカレーを作って家族にふるまったのですが、その時の反応は実にさまざまでした。「おいしい!」という人もいれば、首をかしげる人もいて……。思い出に残るエピソードです。帰国後にホストファミリーから手紙をもらい、そこには「いつでも帰ってきていいんだよ。私たち家族の一員なのだから」と記されていたことが今も心に残っています。
現地の生活は朝5時30分に起床し、6時台のバスで通学します。14時までノンストップで授業が続き、昼食は基本的にホストファミリー宅でとります。水曜と金曜だけは“メンサ”と呼ばれる学校給食がありました。休日は友達と遊んだり、ホストファミリーの祖母の家で庭仕事を手伝ったりと、家族の一員としての生活も楽しみました。
日本の学校とイタリアの学校の違いで最も強く感じたのは「英語教育」です。日本では文法中心で“テストのための英語”というイメージですが、イタリアでは“話すための英語”が重視されていて、間違いを恐れずに発話することに重点がおかれています。“話すため”のイタリア語の重要性を強く意識しました。留学期間中に気づいたら“伝えるためのイタリア語”で会話するようになっていて、人と話すことがますます好きになっていきました。帰国後も現地の友人たちと連絡を取り合ったり、イタリア語の先生ともやりとりを続けたりしています。ミラノでイタリア語検定に合格したことが自信につながりました。
今後は大学進学後にもう一度留学し、さらに語学力を磨きたいです。イタリア語に限らず、アジアやヨーロッパの言語も学びたいと思っています。将来は外国語を使って海外で働いたり、外資系の企業で活躍できたりするような仕事に就くことが目標です。
長期留学に行けるのは学年で1人。でも、誰にでもチャンスはあります。少しでも海外に興味がある人は、ぜひチャレンジしてみてください。実際に行ってみると、自分の世界がぐっと広がります。夢や目標が見つからない人も、現地での経験を通して何かをつかめるはず。私自身、イタリア留学は“どう生きたいか”を自身に問うきっかけになりました。
「通っていた現地校では、イタリア語・英語・情報・数学・地理・歴史・体育のほか、ロシア語やスペイン語の授業も受けました。イタリア語の授業は長期留学生や移住者向けの内容で、19カ国から来た生徒たちと一緒に学びました」(荒木さん)
「休日はホストファミリーや友人とフィレンツェ市内の観光も楽しみました(写真はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会)。美術館や教会、オペラハウスなど、歴史ある街並みを自分の足で歩く時間は貴重なひとときでした」(荒木さん)
滝藤星雫さん(高3)・英語コース
高校進学を考える過程で、「たくさんの科目を幅広く勉強するより、一つのことを突き詰めるのが自分には合っている」と思いました。そこで英語を集中して学べる関東国際の「英語コース」を選びました。
入学後は英語に触れる機会が増えたものの、日常会話を実践する場は限られていたので、「学ぶことと話すことは別。話すためにはやはりその環境に身を置くことが大事だ」と思い、アメリカへの留学を決めました。
実はアメリカ留学の1年前、高1の夏にオーストラリアで3週間の短期留学を経験しました。初めての海外は外から日本を客観的に見る機会となり、視野が広がる経験となりました。だから今度は違う文化のアメリカを見てみたいと思ったのです。
「アメリカへ行ったら友達をたくさん作ろう!」と意気込んで出発したものの、初日は言葉の壁に直面。ネイティブスピーカーの英語が速すぎて会話に入っていけずにショックを受けました。そこで気持ちを切り替えて、「まずは1対1のコミュニケーションを大切にしよう」と意識したことで、心を通わせられる友人に出会えたんです。私の拙い英語にしっかりと耳を傾けてくれ、まっすぐ向き合ってくれたことに感謝しています。その友人とは文化や宗教、アニメや遊び、いろんなことを語り合える関係が築け、今でも毎日連絡を取り合っています。
現地校は自由に科目を選択できることに特色があり、なかでも印象的だったのが「解剖学(Anatomy)」の授業です。人間の体の構造について学ぶのは初めてで、専門用語も多く、授業中は活発に意見が飛び交っていました。どんな意見も否定されない雰囲気がとても新鮮でした。
また、日本と違い授業中もみんな自由に話していたり、それを先生が注意したりしないのも印象的でした。議論する時は集中するけれど、それ以外は自然体なんです。服装も月曜日だけ制服であとは私服です。そんな自由な雰囲気がディスカッションのしやすさにつながっていると感じました。
ホームステイ期間は自国について説明する場面が多く、相手の国を知るためには、まず自分の国を知ることが大切なのだと実感しました。事前に日本文化を英語で紹介する準備をしていったことも、大きな助けになりました。持参した「雛人形」を見せたり、「筆ペン」で漢字を書いてあげたり……。日本の文化を紹介すると、とても喜んでくれました。
また、日本食をふるまった際、具材について説明しようとしたら単語が出てこない場面もありました。そうした経験から、英語だけでなく日本の文化を深く知ることも異文化理解には欠かせないのだと強く感じました。
今は留学プログラムが充実した国際系大学への進学を考えています。英語を日常的に使いながら、互いに刺激を受け合える環境に身を置きたいからです。そして将来は国際関係や海外と関わる仕事、外資系企業などを視野に入れ、英語力と異文化理解力を活かせる道に進みたいと思っています。
高校は偏差値ではなく、“自分が何をしたいか”で選んでほしいです。私は中学で野球に打ち込んでいて英語が得意だったわけではありません。でも、中3の引退後に本気で勉強し英検を取得して関東国際に入学しました。週に何度も英語に触れることができ、海外留学のチャンスもある。英語を頑張りたい人にとって、関東国際はとても良い環境だと思います。周りと比べず、“自分は高校で何をしたいのか”という思いを大切にして、いろいろなことにチャレンジしてほしいと思います。
「国際交流では、相手の文化を理解するのと同等に自国の文化を伝えることも大切。そこで日本の文化を紹介するために英語での説明を準備し、お雛様と筆ペンも用意して交流に臨みました」(滝藤さん)
「最初は自分の意見をホストファミリーへ伝えることに消極的でしたが、“受け入れられている“とわかったことで自ずと伝えられるようになりました。文化の違いを理解し、歩み寄ることが大切なのだと気づかされました」(滝藤さん)
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