2025年に創立60周年を迎えた佐野日本大学高等学校。その記念事業の一環として同年4月に誕生したのが、レストラン(学食)とラーニングコモンズの働きをもつ『SANICHI COMMONS』です。木のぬくもりにあふれたピラミッド型の空間で、集い、学び、交流する場として、生徒の人気を集めています。この新しい施設について、校長の髙原健治先生にお話を伺いました。
2025年に創立60周年を迎えた佐野日本大学高等学校。その記念事業の一環として同年4月に誕生したのが、レストラン(学食)とラーニングコモンズの働きをもつ『SANICHI COMMONS』です。木のぬくもりにあふれたピラミッド型の空間で、集い、学び、交流する場として、生徒の人気を集めています。この新しい施設について、校長の髙原健治先生にお話を伺いました。
「今の高校生にとって、カフェやファミレスでコーヒーなどを飲みながら、友達同士で勉強することが日常生活の一コマになっています。本校には学食がなく、生徒は自宅から持ってきたお弁当や購買のパンなどをお昼に食べていました。また、放課後は自習室や図書館で勉強できますが、こうした施設では“私語厳禁”のため、学び合ったり飲食したりすることはできません。
そこで60周年記念事業の一環として、生徒たちが食事をするだけでなく、くつろいだり、勉強したり、交流を深めたり、探究活動に励んだり、その成果を発表したりできる“多機能施設”を創ることになったのです」
こうして完成した『SANICHI COMMONS』は、天井の高い開放的なピラミッド型の空間。総席数は241で、『メインエリア』、『グループワークエリア』、『プレゼンテーションエリア』、『スツールエリア』、『1人用カウンタエリア』、『組み合わせテーブルエリア』、『ファミレス席エリア』の7つに分かれています。
特筆すべきは、“木のぬくもり”にあふれている点です。天井の梁を構成する部材には、佐野市産のヒノキが使用されています。梁は17mもあり、栃木県にある民間の施設では最大です。
「ぜひ、学校説明会に参加していただき、この『SANICHI COMMONS』をご覧いただけたらと思います」(髙原校長)
エントランス付近のロビーには、姉妹校であるイギリスのキング・エドワード6世校の生徒が描いた絵が飾られています。
『組み合わせテーブルエリア』の奥にある『ファミレス席エリア』は、生徒に最も人気がある空間。壁にはバンクシーやフェルメールの複製画が飾られ、洗練された空間となっています。
組み合わせ自由なテーブルが設置され、アクティブラーニングに最適な『グループワークエリア』。
「昼休みになると、ここがランチを楽しめるレストランとして機能します。メニューには日替わり定食のほか、チキンカレーライスやミートソーススパゲティ、醤油ラーメンなどがあります。どれも管理栄養士によって栄養バランスやカロリーを考えてつくられたメニューです」
取材当日の日替わり定食は「温玉豚丼」。ボードにはこの週のメニュー表が貼られ、そこにはカロリーも表示されており、温玉豚丼は約800kcalです。なお、翌日の日替わり定食は炒飯・ミニ麻婆豆腐セット(約810kcal)、翌々日がハンバーグホワイトソースがけ(約820kcal)でした。日替わり定食はどれも500円。チキンカレーライス(約700kcal)は400円、醤油ラーメン(約580kcal)は470円とリーズナブルなため、保護者の方々にも好評をいただいています。
教員の利用者も多く、髙原校長もその一人。毎日、お昼休みに足を運んでいるそうです。
「今日は醤油ラーメンを注文しました。毎日通っているので顔なじみになる生徒もおり、気軽に話しかけてくれます。校長室のドアを叩くことには抵抗があっても、隣に座っている私になら声をかけやすいのでしょう。こうして生徒たちと食卓を囲みながらコミュニケーションが図れることを、うれしく思っています。
また、レストランスタッフの方々とも親しくなり、私の提案でミニカレーを“サイドメニュー”に加えていただきました。運動部の朝練でお腹が減り、もう一品ほしいという生徒もいるからです。値段は200円です」
レストランの厨房。スタッフが笑顔で声をかけるなど、生徒との交流も育まれています。
レストランには「堀越丼」や「たねさとランチ」など、先生の名前がつけられたメニューも用意されています。
『SANICHI COMMONS』にはコンビニエンスストアも併設されています。朝8時から、最終のスクールバスが学校を出る夕方6時20分近くまでオープンしています。
「朝食をとってこなかった生徒は、コンビニでおにぎりやパンを買えます。電気ポットも備わっているので、カップ麺も食べられます。放課後、部活動を終えた生徒が、ここで買ったお菓子を食べながら、部員同士で宿題をしている姿も見かけるようになりました」
生徒たちに大人気のコンビニ。前日にレストランのランチメニューを予約注文しておくと、プリペイドカードにポイントがたまります。
コンビニには髙原先生お勧めの豆大福も並んでいます。
さらにグループワークの発表や講演会などに使われる『プレゼンテーションエリア』には、220インチモニターが設置されています。
「本校は、シェイクスピアの母校として知られるイギリスのキング・エドワード6世校をはじめとする海外の姉妹校と提携を結んでいます。この大型モニターを使い、こうした姉妹校の生徒たちとのオンライン交流会を開催しようと考えています。
また2025年夏、関東大会に出場した硬式野球部の試合を生徒たちがこのモニターで観戦し、食事をしながら応援するライブビューイングも行いました。今後、硬式野球部が甲子園大会に出場すれば、この大画面で試合の様子を見守ることができます」
『メインエリア』の奥に位置する、さらに『SANICHI COMMONS』の特色は、2階から降りられる木製の階段があること。この階段をステージにして演奏会などができるのです。
「これまで吹奏楽部、和太鼓部、管弦楽器部、合唱部が放課後にここで発表しています。部活動に限らず生徒会執行部の許可がおりれば、個人でも使用できます」
ステージとしても使用できる木製の階段。最後に髙原校長は次のように語りました。
「先日、放課後にここを訪れた際、大学受験を間近に控えた高3生たちが真剣な眼差しで勉強していました。後からやってきた下級生たちはその様子を目にして刺激を受け、黙々と勉強し始めたのです。このように『SANICHI COMMONS』は、上級生たちが下級生たちに“佐日生”としての模範を示すなど、好影響を与える空間となりつつあります。
これからは、ますます学年を越えた交流が生まれてくるでしょう。例えば、ここで宿題をしていてわからないことなどを、近くの席で勉強している上級生に聞くといった場面も増えてくると思うのです。この『SANICHI COMMONS』から新たな可能性が生まれることを期待しています」
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